パスワード/パスコード認証やパターンロック認証では,認証場面ののぞき見により他者が不正認証を受けるための情報を取得することが容易である.本研究では,この問題の低減を目指して,ワンタイム画像生成に基づく認証手法を提案する.提案手法では,正規のユーザが知る認証画像群生成ルールに基づいて,ワンタイムの正解画像とダミー画像を生成して画面に提示する.被認証者は,提示された画像群の中から正解画像を選ぶことによって認証を受ける.画面には都度異なる画像が提示されるため,のぞき見が行われた場合であっても正解の手がかりをつかみづらいことが期待できる.1名の実験参加者が認証を受けている場面をもう1名の実験参加者がのぞき見を行う評価実験を行ったところ,のぞき見を認めているにもかかわらず高い本人パス率と他者拒否率を示した.
      石井健太郎.
      画像合成技術を用いた個人認証における好まれる認証ルールの調査.
      コンピュータセキュリティシンポジウム2020, pp.734-741, October 2020.
    
      石井健太郎.
      ワンタイム顔画像生成に基づく画像認証手法.
      マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム2020, pp.1594-1600, June 2020.
    
      石井健太郎, 香川将樹, 島谷和樹.
      ワンタイム図形生成に基づく個人認証の生成ルールとその評価.
      情報処理学会論文誌, Vol.60, No.12, pp.2127-2138, December 2019.
    
      石井健太郎.
      インラインルール通知を用いたワンタイム図形認証.
      マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム2019, pp.1161-1167, June 2019.
    
      石井健太郎, 香川将樹.
      ワンタイム図形生成に基づく特定の認証キーのない認証手法.
      コンピュータセキュリティシンポジウム2018, pp.187-192, October 2018.